■江崎浩司/ヤコブ・ファン・エイク/≪笛の楽園≫
…… レビュウを集めて …… 
 

 





  第2集が発売されました。詳細は、こちらです→




フォンテック FOCD9767
 RECORD GEIJUTSU 特選盤
 17世紀の作曲家 ファン・エイクの遺した
 笛と管楽器のための曲集「笛の楽園」
 全148曲 いずれも無伴奏ソロ 

 8枚のCDとして企画された
 これはその1枚目と2枚目

 使われている楽器は
 様々なタイプや音域のリコーダー
 ショーム ドゥルツィアン


 時を超えて呼び戻された楽器たちは
 的確にキャスティングされた役者のように
 のびやかな演技で エイクの世界を描き出す

 一つの曲から次の曲へ移るときの
 調性の絶妙な展開は 江崎浩司のいわばデザイン
 意外性と的確の微妙なバランスが
 何とも楽しい

              堀江はるよ




 

フォンテック FOCD9740
 RECORD GEIJUTSU 特選盤

  [録音評] レコード芸術2017年8月号より
●リコーダーの楽器イメージが自然な大きさに
まとまり、聴き手と演奏者の自然な距離感が伝
わる優秀録音。録音会場の上質な余韻を活かす
ことによって、単旋律ながらハーモニーを感じ
させることにも注目したい。
計18本のリコーダーそれぞれの音域、音色の
違いが鮮やかに浮かび上がり、ショームなどリ
コーダー以外の楽器がもたらす変化も聴き手の
耳を心地よく刺激する。(山之内正)

~朝日新聞 7月24日夕刊 【 for your Collection クラシック音楽 】より~

  ヤコブ・ファン・エイク:笛の楽園 Vol.1江崎浩司     片山杜秀 
 
  ヤコブ・ファン・エイクは17世紀オランダの目の不自由な音楽家。「笛の楽園」は
 全151曲。笛一本で聖俗入り乱れる世界の細密画を紡ぐ。江崎はまず19曲を。
 考証と想像が相乗。活きた演奏だ。全曲録音の完成を祈る。



~レコード芸術 2017年7月号 【 New Disc Collection 】より~

  江崎浩司によるリコーダー音楽の金字塔《笛の楽園》第一集  近藤憲一 
 
  わが国を代表するリコーダー奏者・江崎浩司の最新録音。
 17世紀後半に活躍したオランダの作曲家ヤコブ・ファン・エイクの代表作《笛の楽園》
 (全151曲)の第一集(19曲)を大いに楽しんだ。
 
  第一集は〈プレリュード〉から始まり詩編や聖歌といった宗教的な曲、世俗的な歌、
 それに様々な舞曲を交えた組曲形式が採られている。そこで描かれているのは17世紀
 オランダの市民の日常だろうか。音域の異なる8種のリコーダー、3種のショームと
 ドルシアン(オーボエとファゴットの前身)を吹き分ける江崎の妙技と清澄な響きが耳に
 快く、盲目だったと伝えられるエイクの音楽が、同時代の「光と影の画家」フェルメー
 ルの絵に通じるように思えてくる。
  長い時間がかかるだろうが、全曲が録音されることを期待したい。


 
~CDジャーナル 2017年8月号 【 NEW DESCS 今月の推薦盤 】より~

  記念碑的録音の船出    矢澤孝樹 
 
   管楽器のマルチ・インストゥルメンタリストというとジャズのエリック・ドルフィーや
 ローランド・カークを思い浮かべてしまうが、現代日本には江崎浩司がいる! しかも古楽
 からジャズまで八面六臂。 さて当盤は17世紀前半のオランダ人、ファン・エイクが”笛”の
 ために書き出版した約150曲の無伴奏作品を全録音する大プロジェクトの第一弾。8種のリコ
 ーダー、ショームなど3種、計11種の管楽器を駆使。宗教曲から流行歌まで、当時の”スタン
 ダード”が次々と変奏されてゆく。

  音楽の”かたち”が見えるタンギング、速いパッセージの小気味よい運動感、歌心……名手の
 妙技に、無伴奏曲が延々と続いても飽きることがない。 そして、特筆すべきは江崎のどこか
 人懐こく、あたたかい息遣いの音色だ。当時のアムステルダムに生きた人々の喜怒哀楽が伝わ
 ってくるような温もり。本人による詳細極まりない解説も、1本の笛のむこうの広大な背景を
 眼前に広げてくれる。記念碑的録音の船出に乾杯!


 
~レコード芸術 2017年8月号 【 新譜月譜  音楽史】より~

  特選盤  推薦     皆川達夫 
 
  江崎浩司さんがヤコブ・ファン・エイク(1589/90~1657)の《笛の楽園》全曲演奏を
 企画し。今回その第一巻として19曲の演奏盤を刊行された。言うまでもなく17世紀オランダ
 の ユトレヒトで活躍した盲目のカリヨン奏者によるリコーダー曲集で、変奏つき舞曲やら
 世俗・宗教歌曲の編曲など、150曲近い無伴奏独奏曲を収めている。今までににも当曲集から
 抜粋した演奏盤は多数あるが、これが全曲を世に問おうとする野心的、意欲的な試みである。

  江崎さんは8種のリコーダー、さらにショーム、ドゥルツィアンなど計11種の管楽器から、
 それぞれの曲趣に応じた適切な笛を選びだし、吹きに吹いておられす。多数の楽器を自在に
 吹き分けて音色の変化を計るばかりか、CD1枚を単純な旋律ひとつで聴かせ通す演奏の妙、
 音楽づくりの充実に感嘆しつつ聴き入った。〈タンネケンの変奏〉(第18曲)など、まさに
 圧倒的な迫力である。

  3年ほど前だったか、テレマンの《12のメトーディッシェ・ゾナーテン》で「レコード・ア
 カデミー賞」を受けられた江崎さんのことだけに好演奏は当然としても、今回の快挙に大きな
 拍手を送りたい。ご本人執筆の解説文が、これまた好ましい読みもの。作曲者や曲集について
 読んでゆき、「面白いな」と思ったとたん、「次回のお楽しみ」とばかりに終わってしまう。
 これではもう、次の第2巻を待つほかないではないか。


 
  特選盤  推薦     美山良夫 
 
  テレマン《メトーディッシェ・ゾナーテン》の才気あふれた演奏(レコード・アカデミー賞に
 選定)に驚嘆してからさして年月を経ていないのに、今度は《笛の楽園》全曲録音だという。
 リコーダーに興味があれば誰もが知っている有名な曲集ではあるが、収められた単旋律の独奏
 曲148曲のうちで、実際に演奏される曲は比較的限られていた。全曲ともなれば、どのように
 聴かせるか、工夫が求められよう。

  江崎浩司は、さまざまな楽器を巧みに演奏してしまう才覚の持ち主。そのメリットは、この
 最初のディスクでも遺憾なく発揮されている。ヤコブ・ファン・エイク自身おそらくは考えも
 しなかったであろう多種のリコーダーにとどまらず、ショーム、ドゥルツィアンを織りまぜて、
 それも曲のキャラクターに合わせて楽器を選択して演奏をくりひろげてみせる。

  エイクが用いた旋律は、当時知られた歌曲などから転用している例が多い。演奏は、原曲の
 歌詞などその曲の出自をもとに表情を付加するというよりは、純粋な器楽的な面白みを最大限
 引き出す方向に自らの立ち位置をさだめている。闊達な演奏はすべてに通じ、いくつかの耳に
 馴染んだ作品も、はじめて聴くかのように新鮮に響く。この曲集のやや複雑な成立過程、使用
 楽器、個々の旋律とその由来について演奏者自身が記した仔細な
解説は、《笛の楽園》への
 格好の手引きとなるだろう。全曲録音へ向けての、充実した第一歩がここに刻まれている。


 
~音楽現代 2017年8月号 【 音現新譜評 】より~

  推薦            石丸裕美子 
 
  オランダの音楽家J.V.エイクの「笛の楽園」全150曲録音に挑む江崎浩司。本CDは記念
 すべき第一弾であり、19曲が収録されている。

 17世紀中期に出版された「笛の楽園」第2集冒頭には、笛や管楽器以外の楽器にも役立つ旨が
 記載されている。江崎はその言葉の通り、リコーダーのみならず、オーボエの祖先ショームや
 ファゴットの祖先ドゥルツィアンをも使い分けており、CDを通して11の楽器を用いている。
 
 江崎の音色はアーティキュレーションが非常に明確であり、瑞々しい。作品と各楽器のキャ
 ラクターが見事に一致しているし、リコーダー以外の聞きなれない楽器の音も新鮮で楽しい。
 たった1本の笛で、ここまで聴き手を楽しませる江崎の技量に脱帽した。


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