■江崎浩司/ヤコブ・ファン・エイク/≪笛の楽園≫
…… レビュウを集めて …… 
 
      第2集 レビュウ 
 


ディスク詳細・フォンテック
 RECORD GEIJUTSU 特選盤





  [録音評] レコード芸術2018年4月号より
●全17トラック、10種類にも及ぶ楽器の
音色を聴かせるが、2016年9月と2017
年3月に分けて、ほぼ同一条件で収録されたと
想像する。録音会場の十分な響きを得てかなり
長めの残響が選択されているようだ。
 ほぼ中央にしっかりと位置し、音色が楽器に
よりそれぞれ異なるため、その響き感は奥行き
に寄与したり、広がりに寄与したりと、音色の
違いが味わえる。(石田善之)

 
 
   
~レコード芸術 2018年4月号 【新譜月譜  音楽史】より~

  特選盤  推薦     皆川達夫 
 
 17世紀オランダのカリヨン奏者ヤコブ・ファン・エイク(1589/90~1657)による無伴奏リコーダー
独奏曲集《笛の楽園》である。 江崎浩司さんはほぼ150曲ちかい作品の全曲演奏盤を企画され、今回が
昨年8月刊行の第1巻につづく第2巻となる。

先盤のように江崎さんは、リコーダーをソプラノからバスまで8種、ショーム2種を取り換え吹き換えして
わが国でもひろく愛唱されているジョン・ダウランドの〈カム・アゲイン〉やらジューリオ・カッチーニの
〈アマリリうるわし〉などの世俗声楽曲の器楽用編曲、〈私の魂よ、主をたたえよ〉のような宗教詩篇曲、
純器楽曲〈クーラント〉など、それぞれのジャンルから17曲を吹き分けておられる。

この演奏を実現するためには、たった一本のメロディを記した楽譜から、もてる限りの技を駆使してエイク
が求めた音を現出し、さらに原曲になった声楽曲の歌詞や来歴、当時の音楽をとり囲むもろもろの状況など
についてのふかい知識と造詣とが必要とされる。この過酷で孤独な作業を江崎さんは毅然とした姿勢で押し
すすめ、見事に成就しておられるのである。

 技の確かさ、音色の変化の妙、各曲のくりかえしを彩る変奏の巧み、
すべての面で笛の楽しさを十全に引きだした畏敬にあたいする好演奏である。
解説文もすばらしく、今からもう全曲盤の恙ない完成を祈り願いたい。

 
   
  特選盤  推薦     美山良夫 
 
 リコーダーとその音楽へ、作曲のプロからのアプローチの極みのひとつがテレマン《メトーディッシェ
・ゾナーテン》であるとすれば、演奏のプラクティスから産み落とされた極みはエイクの《笛の楽園》で
あろう。テレマンで音楽史部門のレコード・アカデミー賞に輝いた江崎浩司が、彼の才覚と技量をもって
取り組んでいる《笛の楽園》148曲の全曲録音プロジェクトは、第1集から多くのリスナーを感嘆させず
にはおかない演奏であった。

 今回の第2集には、リコーダー愛好家にとってはなじみ深い〈イギリスのナイティンゲール〉や〈アマ
リリうるわし〉が含まれている。だが曲目とともに、8種のリコーダーと2種のショームが、曲の性格や
内容、背景に呼応するように使い分けられているのも、このディスクの魅力だ。たとえば風刺唄の旋律を
受け継いだ第11曲はバス・リコーダーといった具合に。

 さらに、これは幾度も繰り返してきたことだが、どの楽器を吹いても、まさに自家薬籠中といった演奏
ぶりにも驚かされる。さながら、音による「笛の万華鏡」の趣をもっている。だがここに刻まれた演奏の
極みは、江崎浩司による個々の作品深耕と、それをふまえた確信にあふれた演奏にこそある。テクニック
先行の《笛の楽園》演奏とは一線を画し、ここではエイクが、ひとつひとつの作品で何をもとめたのか、
演奏を通して明快に示される。
作品と楽器と演奏とが、三位一体を形成しているといっても過言ではなかろう。


 
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ディスク詳細・フォンテック
 RECORD GEIJUTSU 特選盤

  [録音評] レコード芸術2017年8月号より
●リコーダーの楽器イメージが自然な大きさに
まとまり、聴き手と演奏者の自然な距離感が伝
わる優秀録音。録音会場の上質な余韻を活かす
ことによって、単旋律ながらハーモニーを感じ
させることにも注目したい。
計18本のリコーダーそれぞれの音域、音色の
違いが鮮やかに浮かび上がり、ショームなどリ
コーダー以外の楽器がもたらす変化も聴き手の
耳を心地よく刺激する。(山之内正)
 Vol.1のレビュウを見る

 

ディスク詳細・フォンテック
 RECORD GEIJUTSU 特選盤

  [録音評] レコード芸術2018年9月号より
●はっきりくっきりしたサウンドは、強いイン
パクトを残した「空飛ぶ笛」を思わせ、演奏に
近く座して聴く趣の録音だが、ここでは長めの
残響が取り込まれてナチュラリティのある佇ま
いが魅力満点。持ち替えられる笛の違いも十全
である。
眼前の演奏を聴くイメージでありながら、音像
にほどよい膨らみのあるリアリティを感じさせ
る仕上がりになっている。(神崎一雄)
  Vol.3のレビュウを見る
 
 
   
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