「堀江はるよのエッセイ」 〜日常の哲学・思ったこと考えた事〜 |
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慣用句 | ||||
“御主人の御理解があって、お幸せですね。”と言われることがある。 夫に妨げられずに好きな仕事が出来て、幸せですね…くらいの意味だろうか。 “御主人のお蔭で趣味が生かせて、いいですねえ”とも言われる。 人が一生懸命していることを「趣味」と断定した上で、 それを発展させられるのは、ひとえに夫のお蔭である…と言っているわけで、 自分の窓からしか、ものを見ない人だなぁと思う。 外出先で夜おそくなると“御主人は、いいの?”なんて聞かれる。 夫婦のことは夫婦で考えるのに… 少し昔、“どちらへ?”という挨拶があった。 家を出たところで近所の小母さんに会う。 小母さんはニッコリ笑って言う。“あら、どちらへ?” “病院へ”などと言えば“まあ、どうかなさったんですか?”となるが、 それが嫌なら、こちらもニッコリして答えれば良い。“ええ、ちょっとソコまで” エールの交換みたいなものだ。 ほとんど慣用句のような会話がある。 “御理解のある御主人で、お幸せですね。” “いいえ、そんなんじゃないんですよ” 深く考えることはない。エールの交換なのだ。 こだわらずに、お互いの善意だけを受け取れば良い。 そう考えてみるのだが、何にせよ私たち夫婦の大切な歴史を、 “そんなんじゃない”と一括りにしてしまうことが、やっぱり私には出来ない。 |
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