「堀江はるよのエッセイ」

~日常の哲学・思ったこと考えた事~


CDと楽譜


三十の巻

生垣

美容室

豆かん
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生垣


本日は草取り。
しゃがんでの作業は、代わるがわる片膝をついても、長時間になると辛い。
思いついて、前に買ったままになっていた、こまわり君とかいう小型の台車を
使ってみることにした。

台に座って足を投げ出して、開脚前屈の要領で屈みこんで草を採る。
お尻で漕ぐようにしてキャスターで移動、疲れるとハンドルにもたれて休む。
ハンドルの高さと、私の頭の高さが合って、枕になって具合が良い。仰向くと、
生垣のカイヅカイブキの揃って片側に伸びた枝が、アーケードのように見える。

      *     *     *     

私が育ったとき、生垣はヒバで、高さは一間(1.8m)ほどだった。
その後、家を改築。母と大工さんが相談して、カイヅカイブキに植え替えた。
カイヅカイブキは大きくなる。母の好みもあって、二階建てのお向かいの屋根に
もう少しで届くという高さになった。トタン屋根の平屋に不似合いなこの生垣の
お蔭で、道路から少し入っただけの我が家は、庭だけは「軽井沢?」だった。

その生垣を、伐ることにした。
もともと私たちの分に過ぎたものだったのを、17年間、眺めて暮らせたのは
幸せだった。作業は、これまで世話をしていただいた植木屋さんにお願いした。
藍色の仕事着の植木屋さんの、美しい鋏の音が聞けなくなるのは淋しい。
でも木は生き物、一緒に暮らすなら十分な世話をしなければいけない。
そろそろ思い切ったほうが良いと考えた。

      *     *     *     

作業が始まった。
前の日に、1本1本の根元にお酒をあげて、「今まで有難う」とお礼を言った。
大勢ですれば短期間で終わるけれど、チェーンソーの音が大きくなってご近所の
迷惑になるからと、植木屋さんは一人で来て少しずつ作業を進めている。

チェーンソーの音が時折、遠慮がちに響く。
そっと…そっとで、まるでお茶のお手前のようだ。
庭の景色は、お向かいの家の壁が見えていた昔に戻る。
祖父の頃からのバラやツツジ、母の植えたツバキや低い木たちは健在だ。
高い生垣の無くなった分、陽が入るようになって庭が明るくなった。

今年に入って書きはじめたリコーダーとピアノの曲集は、次が7曲目。
カレンダー形式で3月から8月まで書いて、7曲目は9月。
チェーンソーの音を聞きながら、どんな曲にしようかなぁと考えている。


                         2018.4.17



美容室



”長さ、どうします?”
”いつも通り短めに。前髪は額にかからないように。後はおまかせします。”


人の顔の感じは、いろんなことで変わる。
まして70代になると、短い間に驚くほど変わるのを同年代の人で見ている。
せっかくなら美容師さんには、その時々の私に合わせて、好きなように腕を
振るってもらうほうが、双方楽しいと思うので、細かな注文はつけない。

…と、鏡を見て驚いた。
わ、おばあさんになっちゃってる!

そりゃそうよね…ここのところ、いろいろあったものね、
小さな刷毛でつけるパウダータイプの頬紅は、ここへ来るまでに風で飛んで、
それ以外は何もしない顔に、もろに疲れが出て、唇の色も薄く見える。


けれど、それが今日も、カットが進むにつれて変化する。これは魔法ですね。
今回は疲れが大きかった分、回復の度合いも大きくて、ブローが始まる頃には
鏡の中の私の「おばあさん度」は、今までのレベルに戻っていた…やれやれ。

丹念な仕上げのブローで美容師さんは、パーマをあてていない私の髪に柔らかな
ウエーブを作る。ほとんど白い髪が、ちょっとソフトクリームのようだ。


美容師さんが言う。
”髪の質が、良い…というか、ほどが良いんです”

全くの直毛ではなく微かにクセがある…その程合いが、ブローで形を作りやすい
丁度良い具合で、そういう髪は割と少ないのだそう。そういえば…と、父の髪を
思い出した。

そうか… 父も同じ髪だった。
白とグレーが混じって微かにウエーブした、大好きな父の晩年の髪。
父が亡くなったときに三十代だった私は、年がいったらあんな髪になりたいと、
ずっと思っていたのに、そのことを忘れていた。

”わぁ、私の髪、父の形見だったんですね、嬉しいな…”

髪が仕上がるまでの間、私はずっと、美容師さんに父の話をしていた。
いつもは、家族のことは余り話さないのだけれど。


                         2018.5.6


豆かん



豆かんを食べたくて、
でも、買ったのや、店で食べるのではなく、自分で作って食べたくて、
買い置きしておいた赤エンドウを、塩ゆでするべく取り出した。

(豆かん=フルーツ等の載っていない、豆と寒天だけの、元祖みつ豆)

どうしても自分で作りたいのは、”こういうの”というイメージがあるから。
寒天は固め、砂糖を入れず、豆の塩味は気がつかないくらい少し、蜜は黒蜜。
それと、隣りの席の人を気にしないで、ゆっくり静かに食べたい。
それから、食べた後で人ごみを歩いたり電車に乗ったりしたくない。

それはともかく、赤エンドウの塩ゆでは、前に二度試みて失敗している。
今回は三度目の挑戦。失敗したくないなぁ。

ポケットファイルから取り出したレシピは、確かその後で手に入れたもの。
ネットで見つけて文章だけコピーしてプリントしたらしく、何年か経った今、
出所は不明。作られた方、お名前を記載出来なくて申し訳ありません。

      *     *     *     

①赤エンドウカップ1杯は、重曹小さじ1/4を入れた水に一晩浸しておき、
 (重曹? 前は入れなったなぁ…)

②それをそのまま翌日、強火にかけ、沸騰したら水を更にカップ1杯足して、
⓷再び煮立ってきたら豆が踊らない程度に火を弱め、
④そのまま1時間、煮汁から豆が顔を出さないように水を足しながら煮続ける。
 (前のとき、1時間も煮たかしら?)

⑤十分柔らかく煮えたら、ザルに上げて水を切り、
⑥上から熱湯をヤカン1杯かけ回す。これで豆の渋みが抜ける。
 (あらかじめ読んでおいて良かった… ヤカンにお湯、沸かしてあります!)

⑦もう一度鍋に戻し、ヒタヒタの水を張って煮立て、
 (ザルに上げてお湯をかけたり、水で煮直したり、しなかったなぁ)

⑧塩小さじ1杯程を加えて、
 (私は小さじ半分弱にしよう)

⓽またザルに上げて、水気を切っておく。
 (どれどれ… あ、おいしい! わぁ、成功!!)

★冷めるのを待ってフリーザーパックに入れて冷凍しました。
 これで当分、いろいろに使えます。

      *     *     *     

本日、固めに作って冷やしておいた寒天を賽の目に切って、豆と一緒に
お椀に入れて黒蜜をかけて、焙じ茶を添えて、ゆっくり静かに食べました。

おいしいなぁ
豆かん… いろんなことを想い出します。

                         2018.6.14



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