「堀江はるよのエッセイ」

~日常の哲学・思ったこと考えた事~


CDと楽譜


二十七の巻

体のこと

フエニスト

アトム
 


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カタツムリの独り言
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体のこと


健康上のトラブルが発生。一寸不自由なことになった。
年齢からくる脊椎狭窄症…いうなれば、我が身のパーツの劣化ですね。

長く歩いたり、同じ姿勢で座り続けたり、立ち仕事を続けたりが出来ない。
タイムリミットみたいなのがあって、それを越すと足腰がシクシクと痛み出す。
でもまだ初期。片足立ちで靴下も穿けるし、ラジオ体操も全部ちゃんと出来る。
病院で検査した結果、このまま様子を見ることになった。

まだ使えますよ。上手に使い伸ばすんですなぁ。
でもだんだん傷んでくるかもしれないから、定期点検はしましょうね。
…ということ。次の車検は4月。

      *     *     *     

痛むことはしないで暮らしなさいと言われた。

  ・痛むほど歩き続けない。
  ・痛むほど座り続けない。
  ・痛むほど長く立ち続けない。

一瞬、”そんなぁ…”と思った。それじゃぁ生活が大幅に制限されてしまう。
日常生活は工夫次第で何とでもなるけれど、人とペースを合わせての行動が
出来なくなる。欠くことの出来ないお付き合いの、あれこれが思い浮かんで、
どうしよう!…と焦ったが、考えてみれば、当たり前の話ではある。

現代に於いて、私たちは何とかして「しなければならないことの出来る体」を
キープしようとする。でも、もしかしてそれは、本末転倒ではないかしら。
「このの体で出来ないこと」は、しなくて良いのではないかしら。

努めて体を動かすようにとも言われた。
パーツの劣化した分を筋肉が補う。その筋肉を衰えさせないためには、
痛まない範囲で、出来るだけ体を動かすのが良いという。
その兼ね合いは自分で探すしかない。

      *     *     *     

この際、生活を変えることに決めた。
傷んだパーツを、何とかして人生の終わりまで、もたせたい。
家事をしながら…もしかすると家族の介護をしながら、作曲をしてピアノを
弾く生活を少しでも長く続けられるように、出来る限りのことをしたい。
お付き合いの上で失礼になることがあっても、それはお許し願おうと思う。


コンサートや展覧会へ行くのは、無理になりそう。
庭仕事は出来そう。小さなシャベルで小さな畑を作ろう。
ドクダミ茶とミントティーとバラのジャムを諦めなくて済むのは嬉しい。

パソコンは、座っている時間が長くならないように気を付けよう。
ネットは世界に繋がっている。どこへでも行けて嬉しい。

作曲は私の場合、ピアノと机の間を行ったり来たりしながら、
立ったり座ったりして書くので、全然だいじょうぶです。


                         2015.7.15



フエニスト


リコーダーの勉強を始めた。
いや、書くのではなく、吹くほう。先生は江崎浩司さん。
初歩はもう終えているので、目下のテキストはヘンデルのソナタ。
…といっても全曲ではなく易しいところを選んで、甘かった基本の見直しです。

      *     *     *     

きっかけは、前回のエッセイに書いた体のトラブル。
脊椎の狭窄そのものは治らないけれど、体全体の健康度を高めることで症状を
軽くすることは出来るというので、まずは自分の体のデータを…と、体組成計
なるものを買った。素足で乗ると女性の声が ”体組成測定中…” なんて言う。
”測定終了…降りて下さい” で降りると、8項目の計測値が示される。

BMI、体脂肪率、内臓脂肪レベルは「標準」、推定骨量は十分ある。
基礎代謝量は「多い」、足腰の強さを示すアクティブ度は「高い」と出たが、
筋肉量は日によって「少ない」と出る時があり、つまりギリギリの線らしい。
自信が無いのが腹筋なので、腹式呼吸を日課に取り入れてみた。

  ゆっくり真っ直ぐコンスタントに息を吐く…止めて……吸う
  ゆっくり真っ直ぐコンスタントに息を吐く…止めて……吸う
  ゆっくり真っ直ぐコンスタントに息を吐く…止めて……吸う

      *     *     *     

繰り返している内に退屈してきた。
ただ吸ったり吐いたりするだけなんて、つまらない。
せっかく吸った空気を、何の役にも立てずに吐くだけなんて、何だか勿体ない。
廃村の水車のような気持になりかけたところで、気がついた。
”この息で、リコーダーが吹けるじゃないの!”

リコーダーは、スーッと真っ直ぐに息を吐いて吹く。
指や舌が忙しく動いても、息は腹筋を使ってコンスタントに送り続ける。
正にぴったり、有効利用! 同時に江崎さんの陽気な顔が目に浮かんだ。

実を言えば、思いがけない脊椎狭窄症は、私にとってかなりのショックだった。
元気な気分が怪しくなりかけることもあるけれど、これって特効薬になるかも、
善は急げ…でお願いして、月に一度いらして頂けることになった。
その一回目が昨日。くっきりと明るい音を聴きながら、その出し方を習うのは
それはそれは楽しかったです。

ピアニストへの夢は一応叶えたので、次はフエニストになりたい。
三倍速で進歩して、ぴろぴろ吹けるようになりたいな。
人生メチャ楽しみになってきました。
以下。「師匠」のコンサートの御案内です。
ぜひお出かけください。

      *     *     *     

レコードアカデミー賞受賞記念、江崎浩司リサイタルin東京
10月1日(木) 近江楽堂(東京オペラシティ3F)

レコードアカデミー賞受賞記念、江崎浩司リサイタルin札幌
10月10日(土) ザ・ルーテルホール(地下鉄大通駅1番出口徒歩3分)

(以上のコンサートは終了しました。次の機会にお出かけください。11/1)

                         2015.9.17



アトム


朝は熱めのお湯で顔を洗う。

お肌のためには、ぬるめのお湯が良いというけれど、
顔と一緒に心も温まって、元気になる。
小さな贅沢、顔だけ朝湯。

そういえば、あの歌、最近聞かなくなったなぁ。

 ♪ おはら しょうすけさん
     なんで しんしょう つ~ぶした
    あさね あさざけ あさゆが だいすきで
      そ~れで しんしょう つ~ぶした 
        ハァ もっともだ~ もっともだ ♪


カルタの絵が目に浮かぶ。
手拭いを頭にのせて風呂につかっている小原庄助さんは、いかにも人が
良さそうで、身上を潰した後はどんな暮らしをしたのだろうと、子ども心
にも案じられたけれど、あの教訓は御用済みになったらしい。
朝酒はともかく、現代では朝寝と朝湯で身上は潰れない。

      *     *     *     

朝食前と寝る前に、ストレッチと筋肉トレーニングをする。
ストレッチは、長年続けてきた野口体操の「自分でするマッサージ」。
様々な動きをしながら、ゆっくりと体を中からほぐす。
筋肉トレ―ニングは友人が、私のために簡単なメニュウを考えてくれた。

それと、先のエッセイに書いたリコーダーの練習。
体と楽器を一つにして、自分がバグパイプになったように吹いていると、
音楽が私にとって、必要とか必要でないとかを超えた、呼吸のようなもの
なのが、改めて感じられる。

体と向き合っていると、心が見えてくる。
この筋肉が、こんなふうに緊張しているのは、なぜだろう?
ここを緩めるには、どう心の持ちようを変えたら良いのだろう?
ここで息が自由にならなくなるのは、どうしてだろう?

体をほぐしながら考える。
私は自分を大切にしてきただろうか?
丁寧に自分と向き合ってきただろうか?
自分に対して細やかな心遣いをしてきただろうか?

      *     *     *     

春の、あの脂汗を流すような痛みが、いつの間にか無くなった。
タイムリミットは相変らずだが、元気が切れると休んでリセット。
鉄腕アトムみたいに暮らしている。

リコーダーのレッスンは、間もなく2回目。
近所へのご迷惑を心配するほど練習したけれど、さてどうなりますか。


                         2015.10.15
                     




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