2ヴァージョン伴奏つき・旋律楽器のための

小曲衆「はるのむこうへ」 ネットで解説コーナー
   
  CD「ひらがなの手紙2」収録曲


楽譜:出版情報詳細
                                   

「小曲集 はるのむこうへ」

はるのむこうへ /すみれ /ウンガレスカ/夜に… /たんぽぽとねずみ /小さなアブ /ねむたくなるワルツ 



 

 
 

−1−
 はるのむこうへ

春夏秋冬…春夏秋冬
…ぐるぐる回る四季の輪から ふっと飛び出したどこかに
はるのむこうがあります

毎日一生懸命に暮らしながら ときどき背伸びして探すと
山の影にチラッと はるのむこうの端っこが見えます

歩いても歩いても 走っても走っても
ちっとも近くなりませんが 遠くもなりません
はるのむこうは ほら あそこです



 
 
    


 

 
 

−2−
 すみれ

すみれが 咲いています
そこに ここに あっちに そっちに

すみれは 8分音符です
8分音符が たくさん すみれが たくさん

見えたものを 聞こう!
聞いたものを 見よう!

春の野原は 8分の3拍子です


 
 
    


 

 
 

−3−
 ウンガレスカ

小さな 小さな 小さな足が
トントンと 地面を踏んでます
陽気に 気まぐれに 愉快に 不まじめに

いけないことは いいこと
いじわるは しんせつ

こわいものは かわいい
みにくいものは きれい

妖精の国は 奇妙で へそまがり
へそまがりは 大好き!


 
 
    


 

 
 

−4−
 
夜に…

ありったけの後悔の蓋が開いて
私は孤立無援だと 思いそうになる夜は
見えない岸を目指して 闇の中に舟を出します

櫂を手に 空を仰ぎ
同じように 櫂を手に空を仰ぐ人が
いるのだろうと思います

耐え難く長い夜も
終われば 朝が来ます
濡れた櫂を心に 私は舟を降ります


 
 
    


 

 
 

−5−
 
たんぽぽとねずみ

むかしむかし あるところに
ひろい ひろい のはらが ありました
のはらには たんぽぽが ほしのように さいておりました

ひろい ひろい のはらには
いっぴきの ねずみも すんでおりました
あるひ ねずみは たんぽぽに いいました

…さて
この先は 私も知りません
あなた 考えて下さいな!
誰も知らない国の 誰も知らない民話です


 
    


 

 
 

−6−
 
小さなアブ


“忙しそうですね!”
“あ、はい”

“よく飛びますねぇ!”
“え、まぁ”

“休みたいと思いませんか?”
“そうもいきませんよ”

“違う生き方を考えたこと ありませんか?”
“いや、全く考えたことないです、そういえば”

“一度やめてみちゃどうですか?”
“うるさいな、ほっといて下さい!”


 
    


 

 
 

−7−
 
ねむたくなるワルツ

ねむたくなると
ぼうっと からだが温かくなって
ふうっと まぶたが下がってきます

ねむりの国から ご招待
さぁ 何もかも 忘れましょう

ねむたいときに がまんして
しなくちゃならない大事なことは
ほんとは 一つもないんです

ねむりの国から ご招待
ワルツに乗って さぁ どうぞ


 
     




 
 


この解説は、 堀江はるよ リコーダー&チェンバロ シリーズ 1「小曲集はるのむこうへ」から転載しました。   
 


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