リコーダー&チェンバロ曲集1 立ち読みコーナー
CD「ひらがなの手紙5」収録曲
「小曲集 はるのむこうへ」 解説と楽譜
はるのむこうへ/すみれ/ウンガレスカ/夜に…/たんぽぽとねずみ/小さなアブ/ねむたくなるワルツ
写真提供・西巻尚樹(VSOP英語研究所)
−2− すみれ
すみれが 咲いています
そこに ここに あっちに そっちに
すみれは 8分音符です
8分音符が たくさん すみれが たくさん
見えたものを 聞こう!
聞いたものを 見よう!
春の野原は 8分の3拍子です
「伴奏の手引き」
指遣いを決める…というのは基本的なことですが、曲の解釈とそれを実現する自分の体とを
繋ぐのに欠かせない、大切な手段だと私は考えています。
チェンバロの音は、立ち上がりが鋭く、キイを……(以下本文をご覧ください)
「すみれ」 楽譜
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−3− ウンガレスカ
小さな 小さな 小さな足が
トントンと 地面を踏んでます
陽気に 気まぐれに 愉快に 不まじめに
いけないことは いいこと
いじわるは しんせつ
こわいものは かわいい
みにくいものは きれい
妖精の国は 奇妙で へそまがり
へそまがりは 大好き!
「伴奏の手引き」
人間が「音色」と感じているものは、「音そのものの色合い」ばかりではありません。
音の長さ短さ、繋がり具合、重なり具合、テンポの揺れ具合なども、使いようによっては
ガラッと音の感じを変えて、聞く人に「音色の違い」を感じさせます。
78小節ずっと、ほとんど同じテンポで通すこの曲をカラフルに……(以下本文をご覧ください)
−4−
夜に…
ありったけの後悔の蓋が開いて
私は孤立無援だと 思いそうになる夜は
見えない岸を目指して 闇の中に舟を出します
櫂を手に 空を仰ぎ
同じように 櫂を手に空を仰ぐ人が
いるのだろうと思います
耐え難く長い夜も
終われば 朝が来ます
濡れた櫂を心に 私は舟を降ります
「伴奏の手引き」
1〜27小節と、55〜終わりまでは「Molto Legato」で弾いて下さい。
ピアノに慣れた人間にとって、チェンバロをレガートで弾くのはなかなか大変です。
これは試練の曲かもしれません。私もピアノ育ちなので、いろいろ工夫をしました。
手と腕と、それに肩から胸を、一つの柔らかな皮袋のように……(以下本文をご覧ください)
−5−
たんぽぽとねずみ
むかしむかし あるところに
ひろい ひろい のはらが ありました
のはらには たんぽぽが ほしのように さいておりました
ひろい ひろい のはらには
いっぴきの ねずみも すんでおりました
あるひ ねずみは たんぽぽに いいました
…さて
この先は 私も知りません
あなた 考えて下さいな!
誰も知らない国の 誰も知らない民話です
「伴奏の手引き」
中間部は嵐の描写です。45〜46小節でムクムクと黒雲が空を覆い、47〜48小節では、
ねずみがブルブルと震えます。「ムクムクと黒雲が広がる感じ」を表すのにクレッシェンbンドが
欲しいのですが、普通のチェンバロには「次第に音量を増す機能」はありません。
こんな仕掛けをしてみました。……(以下本文をご覧ください)
−6−
小さなアブ
“忙しそうですね!”
“あ、はい”
“よく飛びますねぇ!”
“え、まぁ”
“休みたいと思いませんか?”
“そうもいきませんよ”
“違う生き方を考えたこと ありませんか?”
“いや、全く考えたことないです、そういえば”
“一度やめてみちゃどうですか?”
“うるさいな、ほっといて下さい!”
「伴奏の手引き」
一見単純な曲ですが、伴奏には様々なパターンが使われています。
パターンの変化の面白さが聞こえてくるように、弾き方を工夫して下さい。
キイに連動して、ジャックについたプレクトラムと呼ばれる小さな爪が、細い弦をはじいて
音を出すチェンバロは、繊細なタッチを求めます。言い換えれば……(以下本文をご覧ください)
−7−
ねむたくなるワルツ
ねむたくなると
ぼうっと からだが温かくなって
ふうっと まぶたが下がってきます
ねむりの国から ご招待
さぁ 何もかも 忘れましょう
ねむたいときに がまんして
しなくちゃならない大事なことは
ほんとは 一つもないんです
ねむりの国から ご招待
ワルツに乗って さぁ どうぞ
「伴奏の手引き」
ねむたそうに弾きましょう。3拍子は几帳面にならないように。
アルペジオは、ゆっくりめに弾いて下さい。
20〜34小節は、リコーダーが“う〜ん”とノビをします。チェンバロはルバートして
“あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜”と、大きなあくびを……(以下本文をご覧ください)
写真提供・西巻尚樹(VSOP英語研究所)
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